「All-in-One WP Migration」の使い方解説・カスタマイズ

現在稼働いているWordPressサイトを別のサーバーに移したいときに便利なプラグイン、「All-in-One WP Migration」について説明します。

これと似たプラグインに「duplicator」がありますが、「duplicator」との違いは以下の通りです。

  • ほとんど日本語表記でわかりやすい。
  • サーバー側の難しい設定をする必要がなく、操作が単純。
  • 数クリックで引っ越しが完了する。

「duplicator」はパッケージファイルを作成する際に非常に細かな設定を行うことができます。
しかし、WEBサーバーに関する知識や経験が不安だと思わぬ不具合が発生する場合があります。

しかし、データベースやサーバーの細かな設定を行う予定はなく、別のサーバーに既存WEBサイトのコピーを作りたいだけなら「All-in-One WP Migration」を使うとよいでしょう。

「All-in-One WP Migration」は「duplicator」と違いあまり細かな設定は行いません。WEB初心者でも短時間で簡単に引っ越し作業が完了します。

作業を始める前に

作業を始める前に、旧サーバーと新サーバーの環境の確認や推奨の作業があるので、それらを以下にまとめました。

環境確認

新サーバーとデータベースの用意

用意する新サーバーはレンタルサーバーでも自前のサーバーでも構いません。
そして、新サーバーにあらかじめデータベースを作成してください。

PHPのバージョン

旧サーバーと新サーバーとでPHPのバージョンを揃えておきましょう。

バージョンが異なっても引っ越し作業は可能ですが、PHPのバージョンが異なる状態で新サーバーにインストールすると大きな不具合が発生する可能性が高いです。
そして、「All-in-One WP Migration」では引っ越し作業の中で、旧サーバーと新サーバーのPHPのバージョンが異なることを通知してくれません。

新サーバーのPHPのバージョンをあらかじめ旧サーバーのそれと合わせておきましょう。

新サーバーにWordPressをインストール

新サーバーにはWordPressがインストールされており、管理画面にログインできる状態になっている必要があります。
ただし、インストールするWordPressのバージョンにも注意です。

WordPressのバージョンによって扱えるPHPのバージョンは異なります。
使用されているPHPのバージョンから判断してWordPressのバージョンを選びましょう。

新サーバーのWordPressにもAll-in-one WP Migrationをインストール

新サーバーにも「All-in-One WP Migration」が必要になります。
旧サーバーで作成したバックアップファイルを新サーバーにインポートするためです。

旧サーバーのWordPressのログイン情報の確認

新サーバーに引っ越しすると、新サーバーのWordPressのログインアカウントとパスワードは旧サーバーのものに上書きされます。
忘れないうちに確認しておきましょう。

バックアップ

新サーバーのWordPressのバックアップをとっておきましょう。
新サーバーにバックアップをインポートすると、データベースの情報はすべて上書きされます。
「All-in-One WP Migration」をインストールしたなら、エクスポートの作業を行うことでバックアップを作成することができます。
バックアップをローカルのPCに保存しましょう。

旧サーバーのデータをエクスポート

All-in-one WP Migrationをインストール

まずは旧サーバーで稼働しているWordPressに「All-in-One WP Migration」をインストールしてください。インストール後に有効化したら管理画面の左サイドバーに「All-in-One WP Migration」のメニューが現れます。

そのメニューから「エクスポート」を選択してください。

エクスポート

エクスポートの準備

「エクスポート」を選択したら以下のような画面が表示されます。

これから引っ越すデータをひとつにまとめたバックアップファイルを作成するのですが、ここで注意したいことがあります。
インポートできる容量はサーバーごとに異なり、XSERVERでは30MBまでです。サーバー側で設定されている容量以上だと有料版を購入する必要があります。

(一度にアップロードできる最大容量はphp.iniの「post_max_size」という項目に書かれています。)

最大容量を超えてしまっても無料版で作業するのであれば、エクスポートしないファイルを選択して容量を減らす必要があります。

「エクスポート」画面にある水色の字で書かれた「高度なオプション」をクリックすると、以下の図のようにチェックボックスのリストが展開されます。

バックアップを作成する際に最も大きい容量のファイルは画像や動画です。エクスポートした後でこれらを手動で新サーバーにアップロードすることもできます。
チェックリストの中にある「メディアライブラリをエクスポートしない(ファイル)」にチェックを入れると、バックアップに画像や動画を含みません。

エクスポートを行う

画像や動画だけでなくすべてのファイルを引っ越しするなら、「高度なオプション」でのチェックボックスは全て空にしましょう。

次に下の緑の字で書かれた「エクスポート先」を選択してください。
選択すると以下のようなリストが現れます。

この中の「ファイル」を選択してください。
選択後に以下の表示がされるので、しばらく待ちましょう。

エクスポートを準備中

しばらく待ってエクスポートが完了すると以下の表示に代わるので、緑の文字で書かれた「〇〇をダウンロード」を選択します。選択するとローカルのPCにバックアップがダウンロードされます。

バックアップをダウンロード

ここで、もし間違えてダウンロードするまえに閉じるボタンを押してしまったり、ダウンロードしたバックアップを削除してしまっても大丈夫です。
管理画面の左志度バーにある「All-in-One WP Migration」のメニューに「バックアップ」があります。

バックアップ

ここには作成したバックアップのリストがあり、いつでも再ダウンロードができます。

バックアップは再ダウンロードが可能

新サーバーにデータをインポート

エクスポートが完了したらバックアップを新サーバーにインポートします。
インポートの作業はエクスポート時と同様に非常に簡単です。

インポートの準備

まず、新サーバーのWordPressに「All-in-One WP Migration」をインストールしてください。
インストールしたら管理画面左のメニューの「インポート」を選択してください。

インポート

「インポート」を選択したら以下の画面が現れます。

サイトをインポート

画面の指示のとおり、先ほどエクスポートしたバックアップをドラッグ&ドロップするか、「インポート元」というボタンをクリックしてその中から「ファイル」を選択してバックアップを選択しましょう。

インポートできる最大の容量に関してですが、この記事ではLocal by Flywheelによる仮想サーバーを新サーバーとして試験的に使っているので、インポートできる容量は1000MBまでとなっています。

XSERVERでは以下のように30MBとなっています。

エックスサーバーの場合は30MB

 

インポートの開始

読み込みたいバックアップファイルを選択すると以下のように進捗バーが現れてインポート作業が自動で始まります。
進捗度が100%になるまで待ちましょう。

インポート中

100%になると以下のような表示に切り替わります。

データのバックアップを作成してください。

警告に書いてある通り、データベースのテーブル、画像や動画のメディア、プラグインとその設定情報、テーマを構成するテンプレートファイルはすべて上書きされます。
新サーバーのWordPressをすでに運用していたなら、一応バックアップをとっておきましょう。
この際は「All-in-One WP Migration」を利用してエクスポートの作業を行うことでバックアップを作成することができます。

インポートを実行するには「開始」ボタンを押します。
インポート中は以下のような表示が現れるので、100%になるまで待ちます。

インポート実行中

インポートが完了したら以下の表示に切り替わります。

正常にインポートしました。

ここで、「パーマリンク構造を2回保存する必要があります。パーマリンクの設定(新しいウィンドウが開きます)」と書いてあります。
この作業を行う前に一旦画面を更新してください。

WordPressへのログインアカウントとパスワードは新しいものに変更されています。
新しいログイン情報でログインし直すために画面を更新しましょう。

再ログインしたら上記のパーマリンクの設定を確認します。
旧サーバーのパーマリンクの設定に合わせておきましょう。

以上で、引っ越しは完了となります。

「duplicator」よりも短い時間で簡単に引っ越し作業が完了することでしょう。
細かな設定は行わずにただコピーするだけなら「All-in-One WP Migration」の方が簡単です。

よくあるトラブル

ここでは「All-in-One WP Migration」を利用する中で起こりうるトラブルを紹介します。

インポート後のWordPressにログインできない

新サーバーへのインポートが完了した後にWordPressにログインに失敗することがあります。

新サーバーへのインポートが完了した時点でログインアカウントとパスワードは旧サーバーで使用していたものに変更されています。
旧サーバーでのWordPressのログイン情報を試してみましょう。

バックアップの容量が大きくてインポートできない

大容量のデータがアップロードされるとサーバーに大きな負荷がかかって、それが障害の原因になることがよくあります。
なので、一度にアップロードできるよう最大容量がサーバー側で設定されています。

アップロードの最大容量を変更するにはphp.iniをいうファイルを編集します。

php.iniとは、サーバー上で動くPHPの環境設定が書かれたファイルです。
そこで設定できる項目は、PHPのバージョンや文字コード、エラー表示に関する設定など多岐にわたります。

php.iniをエディターで編集できなければ、使用しているレンタルサーバーの管理パネルにログインして、サーバー会社が提供している手法に沿ってphp.iniを編集してください。

その中に以下の5個の項目があります。

upload_max_filesize

WordPressにアップロードできる1ファイルあたりの最大値を指定します。
例えば128MBまで上げるのであれば「128M」と書きます。

post_max_size

WordPressにアップロードできる1回あたりの最大値を指定します。
この値はupload_max_filesizeよりも大きな値である必要があります。
例えば128MBまで上げるのであれば「128M」と書きます。

memory_limit

メモリの最大値を指定します。
例えば256MBまで上げるのであれば「256M」と書きます。

max_execution_time

スクリプトの実行中の許容時間を指定します。
仮にスクリプトが暴走した場合にサーバーへの負荷を最小にするためです。
この値は秒単位で指定するので、例えば300に設定するのであれば「300」と書きます。

max_input_time

アップロードにかかる最大の時間を指定します。
ファイルサイズとアップロードの速度から適切な値を選びます。
この値は秒単位で指定するので、例えば300に設定するのであれば「300」と書きます。